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瀬音
 

1月30日(月) 〜 2月4日(土)
2012/02/04
 学校や地域での挨拶の励行に、素直に従う子ども達。しかしその反面、一部の家庭では、見ず知らずの相手に返事をさせないと漏れ聞く。わが子に、信じる心ではなく疑心を勧める後ろめたさと、現実の狭間で苦悩する家庭は増えている▼そのきっかけのひとつが7年前、小学生に挨拶された男性が、いきなりその子を殴打した事件。純粋に、大人を信じた子への暴力の罪は極めて重い。学校や地域ぐるみの挨拶励行が、犯罪抑止につながる点は理解しても、そんな危険性を恐れる保護者は少なくない。子どもらが“信じる”機会は、年を追うごとに減少する▼信じるといえば日々、多くの人が参考とする気象予報。気象庁は今冬を暖冬と予測するも、実は厳冬。日常の天気も鵜呑みでは、いざとなれば災難と思うだろう。情報を信じるか否か、またその程度に差はあれども、判断は自己責任との気持ちならば、次の対応に苦労することはないはずだ▼職場でのある事件で、人間不信に陥った友人がいる。しかしそんな彼でも、わが子の無事の成長と、それを信じる気持ちが生きる糧となり、彼を支えている▼人を信じる心に宿る力を、“信じる”ことから始めよう。

2012/02/03
 地産地消も必要だが、外貨を得るには地産他消も欠かせない。いい物を作るも、販路で足踏みとはよく聞く話。長引く経済不況の出口が一向に見えない地方にあって、外貨を獲得するあの手この手の策は自治体それぞれ▼あさぎり町は今春、福岡市にアンテナショップの開設を決め準備中。県外設置は第1号。郡市では、五木村が平成21年8月から昨年3月まで、阿蘇ファームランドの一角に開設した経緯がある。両町村の共通は、第三セクター運営▼福岡市の店舗では米や肉、四季折々の認証商品に加え、南稜高校の産品も売り出す“あさぎりづくし”。文字どおり、アンテナの役目を果たす店舗ゆえ消費者の反応やいかに―だが、議決にあたり賛成議員も費用対効果にかかわる試算の甘さを指摘するなど難産だったことを忘れてはならない▼農林商工連携支援協議会は、ショップ機能と事務所機能を兼ねた営業拠点と位置付け、相乗効果に期待する。何はともあれ、地域の産品がいかに優れているかを周知する場である一方、都市部の人があさぎり町に行ってみたい、人吉球磨を訪ねたいと思う場にと願う。三人寄れば文殊の知恵。今こそいろんな人がいろんな知恵を。

2012/02/02
 桃の節句は五節句によると上巳の節句。旧暦三月上旬の巳の日に陰陽師が、けがれや災いを移した人形を身代わりとして川や海に流していた行事が由来とされる。また、平安貴族の子女に広まったままごと遊びのような「ひいな遊び」を始めとし、江戸時代から現在のような姿となったようだ▼そのひな飾りと言えば、真っ先に挙げられるのは相良村柳瀬の専徳寺が所蔵している数多くのひな飾りだろう。豪華さや珍しさに息をのみ、見る者を圧倒する迫力がある。そして歴史に想いを馳せる。その価値に目を向けて始まったのが1日から始まった「人吉球磨は、ひなまつり」であることも周知の通り▼それから久しく、今では郡市の観光や宿泊施設、商店、あるいは一部の個人宅でも開放され見学できる。思い出の詰まった人形、水難を逃れた年代もの、孫のために古代布を用いた小さな手作りの品など印象に残るものも数多い▼こうした品々には自分の命をかけてわが子を守り、子どもの健やかな成長を願う親の愛情が込められている。親子の間でも暗いニュースが後を絶たない現代、そんな無償の愛をひな飾りについ重ねてしまう。震災復興への今、尚更そう感じるものだ。

2012/02/01
 早いものできょうから2月。人吉市では11日に市制施行70周年記念式典、19日は春風マラソンと行事が続く▼市外出身者としては、歴史を学ぶ機会と捉え「人吉市史」を開いて70年の歩みをたどってみると、誕生したのは戦時中の昭和17年。戦争体験者と同じく当時を知る人は80歳以上と高齢。当時を知る人が少なくなっていることに気付かされた▼文字や証言で当時を思い描くが、百聞は一見に如かずで写真1枚に驚かされたのが、国民宿舎くまがわ荘ができる以前にあった相良家下屋敷の庭園。大きな池や林もあり、現存していたら名所になっていたはず▼歴史をたどる中で忘れかけていたのが人吉市と相良村の合併。法定協議会設置までしたが解散。それ以降、県の呼び掛けで基礎自治体に関する勉強会も開かれていたが途絶えて久しい。また、首長選挙でも市町村合併を争点に掲げる候補は少ない▼先日、市内各分野で活躍中の女性たちを集めて開かれた70周年記念座談会。その中で出たのは「結束」「結」「合力」。市町村合併をしなくとも郡市の行政、住民が一つになって地域づくりに取り組む機運醸成、ネットワークが求められる。

2012/01/31
 昨年の東日本大震災を機に、各所で目にする「絆」の文字。昨年の今年の漢字で1位を獲得後しきりに連呼、多用される。絆は努力して作るのではなく、後から気づくものとは、ある精神科医のコメント。なるほど▼被災者への救済で、あるボランティアの「利他の心で頑張る」とのコメントが忘れられない。利他を、頑張る尺度で捉えることは適正だろうか。過去1度の義援金拠出でも十分に有難いが、それを殊更、今でも強調する人びとへの懐疑と、どうしても重複してしまう。「…のため」との意識が強すぎると、結局は「…してあげた」との認識に陥ってしまいそうだ▼かのマハトマ・ガンジーが残した、いわゆる「7つの社会的罪」が理念なき政治、労働なき富、良心なき快楽、人格なき学識、道徳なき商業、人間なき科学、献身なき信仰だ。まさに現社会の縮図で改善すべき項目ながら、浅薄な覚悟では余計に傷口を広げてしまいそう▼自らを救えない身で周囲を救う意識、過度の自己犠牲などと背伸びせず、まずは私たちの生活に広く存在する絆を知ることが肝心だ。「自利」の後の「利他」へ。この気づきが末長い復興支援に向けた強き魂となる。

2012/01/30
 地域の体育大会や駅伝大会の選手集め、各種講演会、各種催しの出席者など人々を集める難しさを担当者や主催者からよく耳にする。今そのことを実感しているのが人吉市議会ではないかと思う▼一昨年、同市議会の議会制度研究会が各種団体や市民と意見交換会を開き、その中で「議員が一生懸命なのは分かるが、議会活動が住民に見えない。議会報告会を活発に開催してほしい」などと意見が相次いだ▼それを受け、昨年4月の改選前の1月に初めての議会報告会を昼夜2会場で実施したが、出席者は合わせて18人。改選後も議会改革に取り組むため議会制度研究会を設置し議会報告会の準備を進め、先週26日夜に改選後初めて開催したが、前回同様に寒い時季の開催だったためか出席者が15人と出足が鈍く関心も低かった▼今回、出席者から「年1回で十分なのか」「多くの人が来るような日程調整を」などと開催手法への提起もあり、議会側も「関心の低さを認めざるを得ない」とした上で、開催時期などを検討するという▼現在も実施していると思うが、市民が忙しくて議会報告会に出席できないのであれば各種会合に出向き、そこで資料を配布し報告させてもらっては。

 
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