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瀬音
 

5月12日(月) 〜
2008/05/16
 沖縄の本土復帰の日を沖縄の若者が知らなかった、あるいは関心を持っていない…。沖縄県にある私立大学の中で行われたアンケートでそんな結果が出たという。沖縄県には在日米軍基地の約75%が集中する。その基地が姿を消した時こそが県民にとっての真の復帰か、それとも当世の政治無関心のなせる業なのだろうか▼基地移転がいくらかでも進み、通称「ゾウのオリ」の解体も印象的ではあったが、米軍兵士が絡む事件は後を絶たない。事故の危険性も相変わらずだ。日本の安全保障の必要性を理解し、基地が経済の一面を支えている現実を不本意ながら受け入れてきた沖縄県民の心情は察するに余りある▼ただ、果たして本土復帰を心から喜ぶ土壌は育ってきたのかは気になるところであり、迷惑施設を抱える見返りとしての「交付金漬け」が最も育むべき自治の芽を摘んでしまったと考えるのは悲観的すぎるか。ただ、これは沖縄に限ったことでもないが…▼沖縄が本土復帰した36年前の子年は激動の時代だった。連合赤軍の浅間山山荘事件、日中国交が正常化し最近話題のパンダが初めて日本にお目見えした。後のロッキード事件の引き金となるトライスター機の導入が、時の田中総理とニクソン大統領の会談で話題にのぼった▼分割占領を逃れGHQの手を離れ、基地条件を飲み込みながらも講和条約を急いだ時代、政治家は「次の時代」を考えていた。平和を願って「日本の独立」を優先させた。この条約に基づいて沖縄は復帰したのだが、先人に果たして今の日本の姿はどう映っているのだろう。

2008/05/15
 ミャンマーの台風災害と、中国の地震被害は日を追うごとに拡大。早期の被災者救済が必要ながら、両国の共通点が人的援助の拒絶。国として、国民の生命と財産を守り、復旧に最善を尽くすべき時に、安全保障云々など全くナンセンス▼ミャンマーの場合は軍政独裁、中国は共産主義体制の維持が、国民の生命よりも大切なのだろう。要人の視察や災害指示まがいの行動など、体制堅持のパフォーマンスは不要。今は全ての援助を受け入れ、できる限りの救助対策が必要だ。今、時間を費やす間にも、がれきに埋もれた相当数の子ども達が、命を落としていると思えば、同じ子を持つ親として不憫でならない。この状況を後世はどう判断するだろうか▼ここ数年、湯前町横谷峠の国道219号の崩落を除けば、郡市で特に大きな災害は発生していない。しかし、周囲を山々に囲まれた環境下、常々の心構えと対策が大切。昨年末には同町で、大規模災害対応訓練が行われ、ある町村では停電時の発電機を購入。さらには大手飲料メーカーが、災害時の飲料を支援物資として、無償提供を決めた▼中国の場合、建物倒壊が原因の死者が多いという。わが子や夫、妻を亡くした状況での聖火リレーの決行により、災害復旧の後の、人災のそしりを免れない情勢も十分に考えられる。いずれにしても、国が責任を全うできるか否か、そんな基本姿勢が問われる出来事だ▼ところで、わが国の政治。与野党とも一体どこまで、本気で国民の幸せを願っているのか。内憂外患を実感する今日このごろ。

2008/05/14
 郡市にとって最大の懸案事項である川辺川ダム建設問題の費用対効果や生態系への影響、代替治水案などを検証するための知事肝入りの「有識者会議」の初会合が、あす15日に東京都のホテルで開催される▼この問題は、これまでも各種委員会で審議。特に、平成8年8月の建設省(当時)の私的諮問機関である川辺川ダム事業審議委員会では、「継続して実施することが妥当」と答申。これを受けて、同年10月に建設省と村の中心部が水没する五木村、ダムサイトができる相良村、そして県の4者が「川辺川ダム本体工事着工に伴う協定」に調印した経緯がある▼その後、県主導による住民討論集会が2年にわたって開催された。「促進」と「反対」の議論がかみ合わず平行線をたどり賛否の溝は深まるばかり。そうして農水省が「利水」、旧電源開発が「発電」から相次いで撤退。混迷を深めながら昨年5月、国交省は河川整備基本方針策定に事実上ダムの必要性などを盛り込んだ▼今回の「有識者会議」のメンバーは大学教授が中心。蒲島知事は先月30日の記者会見で「中立性と科学性を重視した。これ以上の委員を選ぶのは不可能」と強調。しかし、住民の中には「どこまでこの問題に精通しているのか」「現地のことを知っているのか」などと指摘する声があがる▼「有識者会議」は9月初旬には報告書をまとめ、それを受けて蒲島知事が判断することになる。委員は机上の議論だけではなく幾度となく現地を訪れ、流域住民らの声を聞いてほしい。42年間振り回されてきたこの問題の円滑な終止符を願うばかりだ。

2008/05/13
 学生時代に喫茶店で深夜アルバイトをしていた頃、そこのマスターがたまに作ってくれたもんじゃ焼きがお世辞にもおいしいとは言えなかった。それからというもの看板は目にするが長い間、敬遠していた食べ物の1つがもんじゃ。お好み焼きやたこ焼きのほうが格段においしいと頑なに信じ込んでいた▼最近、関西に住む知人のたっての希望で東京月島の商店街「もんじゃ焼き通り」を訪ねる機会があった。期待せずに1軒の店に足を踏み入れると店内は溢れかえる客の姿。家族連れやカップル、老若男女を問わずにぎやかに談笑しながら、鉄板の上で「ジャー」と音を立てて焼きあがるもんじゃを小さなヘラで器用に口へと運んでいる▼浅草などと違い周囲は埋立地でとりたてて観光スポットなどない。人吉市内の中心商店街よりも小さく古めかしいこの商店街だけで約100軒を数えるといい、アルバイトの若い男性店員がせわしなく焼き方の手本を示しながら「振興組合加盟の各店で協力しながらPRしています。もんじゃ焼きを好きになってくれるといいなあ」▼帰り際には「味はいかがでしたか。基本はキャベツだけですが、トッピングは100種類を超えますから、また違った味を楽しみに来てくださいね」と送り出してくれた。さて肝心の味はといえば目から鱗、名物にウマいものなしの前言撤回である▼感想文になってしまって恐縮だが、観光に「食」は欠かせないと再認識。1億総グルメ時代、観光は景色や歴史だけで潤わない。幸い人吉球磨には豊かな食文化がある。よけまんなど種類も豊富。これを生かさない手はない。

2008/05/12
 水上村では連休の賑わいもひと段落。小紙は先週、新緑に囲まれ落ち着いた雰囲気の中、村政座談会を開催した。4年前にも同席したが、成尾村長ほか数名以外は様変わり。社会環境の厳しさは増すばかりだが、同村には以前と変わらぬ穏やかさが漂っていた▼中山間地という地理的要因も大きいが、生産品単価の下落による農林業維持の難しさ、少子化に加えた若年世代の流出、それが後継者不足にも影響し、さらには限界集落の出現など高齢化は深刻さを増す。半世紀前と比較し人口で65%、世帯数は40%それぞれ減少、農家戸数は20年前の約半分に激減した。ハード面でも資金的なハードルは高く、全村民が納得いく施策はなかなか難しいのが現実。それでもなお、出席者の表情から、笑顔が消えることはない▼森喜朗前首相ですら「歴史に残る悪政」と批判した三位一体改革をはじめ、郵政民営化など地方行政と国民生活に、深刻な影響を及ぼす政策が今なお続く。水上村では、財源の約75%を対外に依存するように、全国の市町村が国から補助金を受け取る以上、正面からの批判は難しいが、昨今の地方切り捨てと言わんばかりの政策に対し、私たち地方在住者の我慢は、限界に近づきつつある▼座談会では、村長の施政への批判ではなく、村の未来を慮る意見が相次いだ。合併や道州制議論が出る一方、厳しい数字を目前にしてもなお、村のコミュニティー価値の向上を、共に模索し続ける出席者ら。同じ地方在住者として勇気をもらった。

 
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